石川県といえば、伝統的な文化や美味しい食事・美しい自然など見どころ満載な土地です。
しかし今回は、そんな石川県ならではの魅力が乏しい「石川県の暗黒地帯」についてのお話です。
暗黒地帯の場所
石川県の 暗黒地帯 とは下図のエリアのこと。
邑知(おうち)平野を中心とした地域で、金沢市と七尾市に挟まれたエリアです。
この辺りに何があるかご存知ですか?
石川県民ですら、この地域のことを詳しく知っている人は少ないでしょう。
まさに未開の地 暗黒地帯!
暗黒地帯の市町村
暗黒地帯にある全国的には無名な市町村(といっても、石川県に「村」はありませんが…)を紹介します。
羽咋市
暗黒地帯の中心に位置する 羽咋(はくい)市 は「UFOのまち」として一部のマニアの間にその名を轟かせています。
UFOに関するこんな施設もありますよ。
他にも「千里浜なぎさドライブウェイ」という波打ち際を車で走れる珍しい砂浜があります。
羽咋という地名は無名でも、ここだけは有名な観光地です。
インスタ映えするスポットとして知られていますね。
「千里浜なぎさドライブウェイ」という暗黒地帯唯一と言っていい全国区の知名度を誇る観光地を有しながら、UFOという文字通りの飛び道具まで備えるとは…
この羽咋市の用意周到な姿勢は、金沢一強にあえぐ県内の他の自治体にとって見習うべきものがあります。
宝達志水町
暗黒地帯の南端に位置するのが 宝達志水(ほうだつしみず)町 です。
宝達志水町は、平成の大合併で「志雄町」と「押水町」の2町が合併して誕生しました。
かつてこの2町は、志雄町が「さくらのまち」、押水町が「いちじくのまち」という地味路線を辿っていました。
ところがある日、押水町が突然「モーゼの眠る地」と大胆にも方針転換。
その後、合併した志雄町も「さくら」を捨て「オムライス町」に生まれ変わりました。
この宝達志水町のなりふり構わない姿勢は、金沢一強にあえぐ県内の他の自治体にとって見習うべきものがあります。
ちなみに、羽咋市で紹介した「千里浜なぎさドライブウェイ」全長8kmのうち3kmは宝達志水町を通っています。
千里浜なぎさドライブウェイが羽咋市の専売特許みたいに思われていますが、3分の1以上は宝達志水町である事実はもっと知られるべきだと思います。
中能登町
中能登(なかのと)町 は、羽咋市と七尾市に挟まれた位置にあります。
2005年に「鳥屋町」「鹿島町」「鹿西町」 の3つが合併して誕生しました。
3つも町が合併したのに、まだ 町 です。
市街地は東西の山沿いにあり、町の真ん中はほとんど田んぼです。
石川県民の想像する「暗黒地帯」の風景は、この中能登町といってもよいでしょう。
派手な見どころはありませんが、古墳や旧跡が多く残されています。
また、伝統的な技法で織られた「能登上布(のとじょうふ)」という麻織物が受け継がれています。
全国的な知名度は皆無に等しいですが、麻布独特の質感と落ち着いた色合いは、派手でメジャーな加賀友禅とはまた違った美しさと気品を感じます。
この伝統と素朴さを守り続ける 中能登町 の姿勢は、UFO とか モーゼ のような変化球に頼る近隣の自治体にとって見習うべきものがあります。
暗黒地帯は未開の観光スポット
今回紹介した暗黒地帯には、古都金沢のような艶やかな街並みや、能登半島のような荘厳な自然はありません。
観光地としてまだまだ未開の地で、金沢~和倉温泉のような石川県の旅の王道ルートでは素通りされがちです。
しかし、のどかな田園風景や素朴で落ち着いた雰囲気の残る暗黒地帯では時間の流れがゆっくりと感じられます。
皆さんがイメージするような加賀や能登とはまた違った魅力がそこにはあります。
石川県にご旅行の際は、ぜひ暗黒地帯にも立ち寄ってみてください。
きっと、誰も知らない「あなただけの石川県」が見つかるはずですよ。
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